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灼熱の卓球娘 #09「私には届かない」

柘榴部長は、普通に強いですねー。あがりちゃんを先行させて、そのプレイスタイルを探ってきました。わざと相手に先行させるって、本当に強くないとできない戦術です。そして、後半追いつき、ジュースで粘って逆転してしまいます。最初から、柘榴部長のゲームです。

もず山中は元々、卓球としては無名校。有名な卓球道場に所属していたくるりちゃんが癇に障ったのか、先輩たちが実力を見てやるって、挑発します。
言葉を額面通りに受け取るくるりちゃんは、次々と先輩全員ブチ倒しました。てゆーか、全員スコンクって何?。卓球は繊細な競技で、かなり強い選手でも、普通1点くらいミスするものですが、全員スコンク?。それも寸前まで小学生だった相手に?。
そりゃ卓球は諦めた方がいーわ。時間の無駄だわ。僕は、人生の時間は限られてるので、才能ある部分を伸ばした方がよい派です。

それを見ていた同じ新入生たちが、全国へ行きたいから鍛えて欲しいと頼んできます。伝説つくろーって、軽いなー(笑)。
言葉を額面通りに受け取るくるりちゃんは、次々と猛練習をぶち込みました。別に無茶苦茶でもなんでもなく、響け!ユーフォニアムの滝先生みたいに、全国へ行くのに必要な量の練習メニューを組んだだけです。かつての柘榴部長が、キオツケしながらうつぶせに倒れてるよ(笑)。

結局、柘榴部長を除いて、誰もついてこれなかった。辞めた理由が、面白おかしく全国行きたかったって、そりゃ無理だわ(笑)。全国っていうのは、無茶苦茶才能のあるやつが、無茶苦茶努力してゆくところです。お遊びで行ける場所じゃない。
ただ、くるりちゃんも部長には向いてなかった。別に悪いことじゃないですよ。人間に向き不向きがあるのは当たり前。悔しくて、悲しくて、涙を流したとしても、その経験こそが本当の勉強です。己を知ること。自分がどんな人間で、何に向くか知るには、やってみないと分からない。くるりちゃんの経験は、教科書を読むより、ずっと将来に役立ちます。

だから、くるりちゃんと柘榴部長はずっとふたりっきり。部員2名の卓球部で、春夏秋冬一年中、ひたすら打ち合い続けた。くるりちゃんよりも、柘榴部長の方が凄いですね。最初は桁違いの実力差だったのに、くるりちゃんについてゆけたってのが凄い。元々あった才能が、くるりちゃんとの濃密な打ち合いの中で開花したのでしょう。
そして、再びの春。そんな2人を見た新一年生の蠍田さんが、私もあんな風にプレーできたらなーって言うと、無理じゃないかな(ユラユラさん)、無理ですね(中二さん)って、もう最初っからイジられキャラじゃないですか(笑)。

柘榴部長の武器は、レシーブ力みたいですね。くるりちゃんの打球を、延々打ち返し続けた圧倒的練習量で、鍛え上げられた技術でしょう。あがりちゃんのフォアハンド・スマッシュを当たり前のように打ち返します。

図に乗ってるあがりちゃんにはよい薬ですね。雀が原中の部員は一部を除いて、総じて調子コキ過ぎですよ。全国を本気で目指す人間は、全員死ぬほど練習している。自分たちだけが特別などと思わないことです。
勝つとか負けるとか以前に、まず練習量で競い合いなさい。全国全国叫んでる暇があったら、一球でも多く打ちなさい。努力してないとは言わないけど、もず山中の方がはるかに練習してるよね。てゆーか、部員が2人しか残らないって、もう常軌を逸した凄まじい練習量だよね。
そこまでやって、初めて全国ですよ。勝ったとか負けたとかなんて、それからですよ。実力で劣ってる部が、練習量でも劣ってるなんて、話になんないでしょ。むしろふざけてるよ。

追い詰められたあがりちゃんは、バックハンド・スマッシュを終盤から繰り出すことで、柘榴部長を突き放します。たまたま今まで使ってなかったのが、偶然功を奏しましたね。突然の戦術変更に、柘榴部長は対応できません。それを見て、バックハンド・スマッシュが有効だと判断したのか、ソレを決め技としてゲームを組み立て直し、更にフォアとバックのスマッシュを打ちわけることで、かろうじて辛勝します。
あがりちゃんには自分の課題が見えてきたようですね。使える武器はすべて使った方がよいですね。もっと全体的に底上げした方がよいです。これからはフォアとバックの両刃のスマッシュで戦うことになるのでしょうか。
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これぞ卓球漫画の最高峰。松本大洋先生の漫画ピンポンです。ノイタミナ枠でアニメになってましたね。才能に恵まれた者と恵まれなかった者。スポーツ経験者なら必ずぶつかる壁が、この中に全部含まれています。あえて言うなら、僕はこれ以上の卓球漫画を、一度も読んだことがありません。


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きのさかな

Author:きのさかな
たった一夜の宿を貸し
 一夜で亡くなるはずの名が

旅の博徒に助けられ
 たった一夜の恩返し

五臓六腑を刻まれて
 一歩も引かぬ“侠客立ち”

とうに命は枯れ果てて
 されど倒れぬ“侠客立ち”

とうに命は枯れ果てて
 男一代“侠客立ち”     花山弥吉